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伝心

出来事だったり、お返事だったり
*2024.05.08 (Wed)... [PR]
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*2011.01.11 (Tue)... 役割

人には自分自身ではどうすることもできないことがある。
たとえば、身長なんかは遺伝ってのもあるし、デカくなりたいって望んだからって、1日で身長が伸びるわけじゃない。
体重なんかにも「体質」ってもんがあって、太りにくい奴は、いくら食っても太らなかったりする。
別に自分の責任ってわけじゃねえし、そのことに対して責める奴だっていない。
でも、そんな自分の体質さえ「無力」だと思っちまうやつもいる。

朽木ルキアも、そういう人間の一人だ。
(そんなこと口に出そうもんなら、「私は人間ではない」とか、的外れな反論されんだろうけど)





昨日の晩、虚との戦闘で、虚の放った攻撃を受け止めきれなかったルキアは、人形のように弾き飛ばされた。
俺が壁とルキアの間に飛び込んで、ルキアの軽い体を受け止めたから、ルキア自身に怪我はなかったが、壁に背中から突っ込んだ俺は、肩を少し痛めた。
家に戻ってから鬼道で治療をしながら、ルキアは「すまなかった。私のせいで」と、か細い声で謝罪をすると同時に、治療を終え、自分の部屋へと戻ってしまった。
んで、今朝になって、ルキアは朝食を普段の倍食べた。


おそらく、ってか、絶対。
自分の体格を改善しようとでも思ったのだろう。


ルキアは元々、好き嫌いもなく、白玉だってよく食べる。
つまり、あいつが太らないのは、体質の問題だ。
それなのに、明らかに無理して、あいつはご飯を山盛りで2杯も食べた。
遊子に聞いたところ、朝早く起きて、いつもより多めに米を炊いてほしいと遊子に頼んだらしい。
とめたところで、素直に言うことを聞くやつじゃないとわかっていても、ルキアが2杯目の茶碗を受け取った時に「やめとけ」と言った。しかし、案の定ルキアは「問題ない」といって、米を口に運びだした。

しかし、本人の意思とは関係なしに、体調は悲鳴を上げる。
1限目開始3分前。
ほとんどの生徒が教室に戻る中、廊下でうずくまっているルキアをみつけた。
どうせ、食べすぎで腹痛でも起こしたのだろうと、ルキアの正面に膝をつくと、ルキアは真っ青になった顔を上げながら、口元を手で押さえた。


「吐く・・・・」


最悪だ。

「バカ!そんなになるまで我慢してんじゃねえ!!」
水道までは15メートル。
担ぎあげたところで間に合う気がしねえ!
と、そこで俺はいま自分たちがいる場所が家庭科調理室の前だということに気づいた。
急いでルキアを抱き上げ、流し台へと連れて行く。
蛇口をひねり、背中をさすってやると、限界数秒前のルキアが顔をあげ、一度俺のほうを見てから廊下を指差した。
つまり「廊下に出ていろ」ということだ。
俺は言われたとおり、廊下に出て、ポケットの中にあった百円玉を手に、自動販売機へと向かった。


そんな訳で、今、ウーロン茶のパックを片手に、教員に見つからないよう、家庭科調理室へと戻ってきたわけだ。



「もう済んだのか?」
「・・・済んだとかいうな」
ハンカチで口元を押さえ、まだ少し青白い顔をしながらも、反論することは忘れない。
「ほらよ」
口の中、気持ち悪いんだろ?とストローのささったウーロン茶を差し出すと、ルキアは「すまない」といって、パックを受け取り、少しずつ喉を動かし、口内の不快さを流していく。
「ったく。無理しすぎなんだよテメーは」
「・・・・うるさい」
「お前の場合、太らないのはどう考えても体質だろ」
「わからぬではないか!!」
「わかるっての。何回テメーに白玉奢らされたと思ってんだ」

女相手にこんなこと言いたくねぇけど、普通の人間なら、結構太ってもおかしくない量だぞ。

「人には適材適所ってもんがあるんだから、お前はその小柄さを生かした戦いってのをすればいいんじゃねえのか?」
「・・・・・・」
「俺にはできなくても、お前にはそれができるんだからよ」
そういって、ルキアの頭に手を軽く乗せる。
「・・・ふん。莫迦にしおって」
「誉めてんだろ」
「一護」
「あ?」
「ウーロン茶。ありがとう」
「どういたしまして」


その後、俺が、遊子がルキアのために用意した大量の弁当と、夕飯を片付ける破目になり、腹痛を起こすことになったことを、今の俺はまだ予想さえもしていなかった。



fin



こんなオチで、すみませんv

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つづきより小ネタUP
イチルキ・・のつもり
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